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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 13.リャナンシー ⑤

「へぇ〜、詳しいんだね」
りいらちゃんがそう言うと、だろ?と師郎は返した。
「師郎は生粋の地元民だからな」
詳しいのも当然さ、と耀平は補足する。
「あと花火は寿々谷公園だけじゃなくてショッピングモールからもよく見えるんだぜ」
あと…と師郎が言いかけた時、向こうから女の人の声が飛んできた。
「りいらー」
行くわよーとりいらちゃんの母親らしき人物がこちらに近づいて来る。
「あ、ママ」
行かなきゃ、とりいらちゃんは母親の元へ駆け出す。
「何してたの?」
「秘密〜」
りいらはそんな会話を母親と交わしてから、こちらを見る。
「じゃあね、おねぇちゃん達!」
バイバーイと手を振りながら、りいらちゃんは母親と共に去っていった。
「何だったんだ」
アイツ、とネロは呟く。
「まぁ良いじゃないの」
師郎はそう返した。
わたし達は去りゆく謎の少女を静かに眺めていた。

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