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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 13.リャナンシー ⑧

ミツル達と合流してから暫く。
わたしと耀平とネロは、たこ焼きの屋台に並んでいた。
あの後、とりあえず腹ごしらえしようぜ、という話になって、各々好きな屋台に並んでいる所なのだ。
「はい、どーぞ」
「ありがとうございまーす」
わたしは屋台の人からたこ焼きの入った袋を受け取ると、そのまま皆の集合場所に向かった。
「師郎と黎はお好み焼き、ミツルと唯似は焼きそばって言ってたっけ…」
そう独り言を呟きながら歩いていると、こんな会話が耳に入ってきた。
「娘さんが迷子?」
「えぇ、さっきまで一緒にいたんですけど…」
お巡りさんと子どもが迷子になった母親だろうか。
公園の片隅で何やら話し合っている。
この混雑じゃ迷子が出るのも仕方ないよね…とわたしが眺めていると、お巡りさんがこう尋ねた。
「娘さんのお名前は?」
「柳原 りいらと言います」
母親と思しき女性はそう答える。
わたしはえ、と絶句した。

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