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無能異能浪漫探訪③ 不審者も怪異も視えりゃ似たようなもん

「……気付いてますか、宮嵜さん」
いつものように溜まり場に入ろうとしたその時、宮城さんが耳打ちしてきた。特に気になるような気配を感じ取ったわけでも無いので首を横に振ると、宮城さんは手のひらサイズの小さな鏡で私たちの背後を映した。
「階段の方です」
「ふむ?」
そう言われて、鏡像の隅に目を凝らす。たしかに、こちらを覗いている人影が見える。
「あれ……どっちでしょう?」
宮城さんに尋ねる。
「さぁ……、どっちにしても同じなもので……」
「ですよね……」
距離は数mってところだろうか。
(よっぽど足が速くない限り、こっちの方が先に入れるかな?)
一瞬考え、多分大丈夫と判断。
「さっさと避難しますか」
「了解です」
すぐさま部屋の扉を開け、宮城さんに入るよう促す。宮城さんを後ろから押すように部屋に転がり込み、念のために鍵をかける。
「……今日はいつに無く乱暴な入室じゃねえか」
家主の男性がこちらに怪訝そうな目を向けていたので、とりあえず挨拶して家に上がらせてもらった。

  • 無能異能浪漫探訪
  • 前回主人公に姿を見られた前作主人公たち視点
  • 人間かな、幽霊かな、みたいな疑問
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