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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 13.リャナンシー ⑩

「りいらちゃんならさっき見ましたよ」
男の人と一緒にいました、とわたしは付け足す。
「男の人?」
女の人は首を傾げる。
「えぇ、家族か誰かだったり…」
「りいらはわたしとしか来てませんよ」
そう言われて、わたしはえ、と言葉を失う。
「そ、それはどういう…」
「どうもこうも、りいらは私とだけで花火大会に来てるんです」
女の人は深刻そうな顔で言った。
わたしはまさか、と思った。
脳裏に“誘拐"の2文字が浮かぶ。
「…嘘」
わたしがついそう呟いた時、後ろから聞き馴染みのある声が聞こえてきた。
「あ、いたいた〜」
アンタどこ行ってたんだよ〜とネロ達が駆け寄って来る。

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