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無能異能浪漫探訪④ 複数の『眼』で確かめよう

「で、何があったんだ」
少し不機嫌そうな家主の男性にさっき外であったことを話してみると、彼は深く溜息を吐いてトモちゃんを呼びつけた。
「ん、どしたのお兄さん。そっちの二人に何かあったの?」
「こいつらの話を聞いてやってくれ」
「はいはい了解」
家主の男性はトモちゃんに丸投げしてベランダに出ていってしまった。
「それで、何があったの?」
トモちゃんにも同じ説明をする。
「へえ……能力持ちの人かな?」
「いや、人間かどうかもちょっと怪しいんですけど……」
「なんで?」
「……」
首を傾げるトモちゃんに合わせて、背後に揺らめく無数の腕も肩を竦めるような動きをしている。腕どもめ、ちょっとイラっと来る動きだ。
「えっと……まあ、その辺の話は置いといて、トモちゃんならあれがただの不審者かそうで無いか分かると思うんですよね。頼めますか?」
「良いよー」
トモちゃんが動くより早く、既に腕たちは部屋の外に向けて伸び始めていた。もうあの場所を離れているってこともあり得るけど、これなら期待できそうだ。

  • 無能異能浪漫探訪
  • 霊感と能力者看破による二重チェック
  • そろそろ現主人公サイドに戻りたい
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