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ハブ ア ウィル —異能力者達— 13.リャナンシー ⑭

「少しこれお借りしますね」
耀平が鞄を見せつつ言うと、女の人はあっはい、と答えた。
「それじゃ、行こうか」
耀平がそう言って女の人に背を向けると、両の目を黄金色に光らせた。

こうしてりいらちゃん探しは始まった。
でも人探しは一筋縄では行かないものだった。
何しろ花火大会の会場は大勢の人でごった返しているのだ。
”人や物の行動の軌跡を見る”コマイヌにとっては少々不利な環境だ。
それでもコマイヌやネクロマンサーは何不自由なく追跡できているみたいだが。
また、りいらちゃんと謎の人物の移動がかなり不規則らしいことも捜索を阻んでいた。
まるで追いかける者を撒くように移動しているらしい。
黎ことレイヴンも捜索を手伝う中、わたし達は追跡相手に翻弄されていた。
「ねぇ…これ、見つかるのかな?」
わたしが思わず呟くと、隣を歩く師郎は見つかるさ、と返す。
「アイツらが人探しをして見つからなかったことはないからな」
大丈夫だって、と師郎は笑う。
そうかな…とわたしが前を向くと、離れた所に見覚えのある少女がいた。

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