「あ」
わたしは思わず呟く。
「あれ! もしかして…」
わたしが指さすと、コマイヌはだな、とうなずく。
「早く…」
「いや待て」
わたしが言いかけた所でコマイヌはわたしを制止する。
「このまま近付いても逃げられるかもしれん」
じゃあどうするの?とわたしが尋ねると、コマイヌはこう答えた。
「皆であの2人を囲うように接近する」
そうすれば逃げられない、とコマイヌは言った。
「うん」
「そうだな」
「そうしましょう」
わたし達はそれぞれうなずいて、彼女らを囲うように散開した。