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無能異能浪漫探訪⑨ オカルトマニアの悪知恵

「なあ、その集まりに俺も仲間入りできないかなぁ。せっかく『そっち側』と接触できるチャンスなんだよ」
「んー……」
俺の提案に、弥彦氏は微妙な表情をした。
「あーっと、ヨリオ。何かその手の能力を持ってたりは……」
「するわけ無いだろ。俺ァパンピーやぞ」
「となると……ちょっ……と、難しいかもなぁ……」
「え、なんで」
「いや、俺を呼びに来たあの人、トモちゃんっていうんですけどね。あの人も例によって能力者なんすけど、あの人の能力が、『他人が能力者か分かる』ってものらしくて……」
「……?」
さっきそのトモちゃんと遭遇した時のことを思い出す。なんで能力者が判別できるだけで俺が階段から落ちるのを手も触れずに止められるんだ……?
「いや、今はそこはどうでも良いか」
「何が?」
「いや、気にしないでくれ。けどなぁ……そうかー……。能力者だって言い張ったら押し通せないか?」
「いや無理でしょ……あ、いやでもなぁ……」
「ん、何か可能性ある?」
「いや、仲間に俺の先輩がいるんすけど、その人の能力の都合上、その人、トモちゃんの能力に引っかからないみたいなんすよね」
「マジで? それ、俺にもワンチャン無い?」
「無いです。あの人はそういう能力ってだけなんで。そもそも、能力者であることを主張したところで、何もできないなら即バレするだけでしょ」
「いいや、そこは考えがある」

  • 無能異能浪漫探訪
  • 先輩氏の能力は『自分を過小評価させる』もの
  • ハッタリとオカルト知識に定評のある現主人公
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