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無能異能浪漫探訪⑬‐A オカルトマニアの1巡目 

1度目の呼びかけ。硬貨は動かない。2度目の呼びかけ。硬貨は動かない。3度目の呼びかけ。
(……来た!)
硬貨が少しずつ、紙の上を滑り始めた。1㎝程度ずつ、段階的に、確実に『はい』の方へ進んでいる。
「……いらっしゃいました。今日は少し時間がかかりましたが……それでは、質問させていただきます」
……さて、どんな質問をしたものか。生半可な気持ちでやって良い儀式じゃないし、きっちりやり遂げなくっちゃならない。
「……こっくりさんこっくりさん、俺のボールペンがどこかに行ったみたいなんですけど、知りませんか?」
ボールペンを1本紛失していたことを思い出し、尋ねてみる。

か、は、ん、の、そ、こ、よ、く、さ、か、せ

「……ちゃんと探せと。ありがとうございます、鳥居の位置までお戻りください」
硬貨がゆっくりと鳥居の上に戻って行った。
ちなみにネタバレ。ボールペンは後で鞄の中を探したら、たしかに中敷きの下に潜ってただけで普通にあった。

  • 無能異能浪漫探訪
  • ダメ出しまでしてくれるコックリさん
  • 13話は2部構成です
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