ネクロマンサーが記憶を見た所、彼女の異能力は"触れている人間の意識を乗っ取る”能力らしい。
ただ、これ以上はプライバシーの侵害だから、とネクロマンサーはなぜ彼女は関係ない人を操っていたかまでは見なかったらしいが。
「…」
彼女は何をしようとしていたのだろう、とわたしはりいらちゃんを見ながら考える。
どこかへ行こうとしていたのだろうか。
「ねぇ」
わたしは思わずりいらちゃんに話しかける。
「さっき知らない人と一緒にいたけど…」
どこかへ行こうとしてたの?とわたしは尋ねた。
りいらちゃんはちらとこちらに目を向ける。
「あ、何となくそう思っただけなんだけどね…」
「何よ」
不意にりいらちゃんが呟く。
「常人の分際で、何よ」
同情のつもり?とりいらちゃんは訝しげな目を向ける。