うつむく小さな少女を見て、わたしは思わずこう言った。
「大丈夫だよ」
りいらちゃんはどういう事?と言わんばかりにこちらを見る。
「きっと大丈夫」
だって…とわたしは続ける。
「この街にはあなたの仲間がいっぱいいるから」
…どうしてそんな事言うの?とりいらちゃんは尋ねる。
「この街にはね、たくさんの異能力者がいるんだ」
だからきっとりいらちゃんにも友達ができる、とわたしは笑った。
「本当?」
りいらちゃんは身を乗り出して聞く。
「現に異能力者だったから仲良くなれたような人達がいるんだから、りいらちゃんにもできるよ」
友達、とわたしは笑いかけた。
りいらちゃんは嬉しそうな顔をした。
…と、ここで離れた川のすぐ側から声が飛んできた。
「おーい」
見ると、2人共何してるんだーいと耀平が話しかけていた。
「折角ならこっちに来いよ」
師郎もそう呼ぶ。
「あー、今行くー!」
わたしはそう言って立ち上がる。
そして足元のりいらちゃんに目を向けた。
「行こう、りいらちゃん」
りいらちゃんは少し驚いたような顔をしたが、うんとうなずいて立ち上がった。
〈13.リャナンシー おわり〉