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薔女造物茶会 Act 3

「そんなに気になる?」
自分の魔力、と少女は首を傾げる。
「…」
黒い人物は黙ったままだ。
少女は呟いた。
「もしかして貴方、いわゆる…」
「お前に何が分かる」
黒い人物は少女の方を向いた。
「貴重な存在として奇異の目を向けられ、狙われる俺の、何が分かる」
黒い人物は少女を睨んだ。
少女は暫くポカンとしていたが、不意にふふふと笑った。
「貴方もそういうモノなのね」
少女はそう言って続けた。
「わたしも、似たようなモノよ」
黒い人物はは?と呟く。
「…何が言いたいんだ」
少女は笑いながら答える。
「いいえ、こっちの話」
少女はそう言って黒い人物に向き直った。
「…そうかい」
黒い人物はそう呟くと、濡羽色の翼を広げて空へと飛び立った。
少女は建物の屋上から、その様子を眺めていた。

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