ハットヤイの街を抜けてすぐ、進行方向右側に湖が見えた
「あの湖ってどこに繋がってるの?」彼女は見たことないものを眺める5歳の子供のようにはしゃぎながら尋ねる「アレか?アレは、ソンクラーの街に繋がっていて、そこから海に繋がっているよ。」「ソンクラーって、かつて日本軍が上陸したシンゴラのこと?」「そうだね。まぁでも、シンゴラはタイの領土だからタイ語ではソンクラーという名前になるね」「山田長政が最期を迎えたパタニーってどの辺?」「シンゴラの南さ。俺たちは西海岸に近い内陸部からタイ入りしたけど、東海岸に沿って北上するとタイに入って最初の街なんだとよ」「私が歴史好きなの知ってるでしょ?だから、山田長政ゆかりの土地行きたかったなぁ…」「センセープ運河の船乗りたかったけど、君のためならプラン変えるよ。ただ、アユタヤとバンコクって距離があるからアユタヤだけでいい?」「距離ってどのくらい?」「東京から函嶺洞門くらい」「箱根駅伝で喩えないで(笑)」「博多から下関くらいって言えば分かるかい?」「意外と離れてるんだね」「だから、アユタヤ行ってたら市内観光してる時間がないんよ。まあいいか、近代的な都会なら俺の故郷、シンガポール、KLの街並み見たんだし」「東京出身者は羨ましいなぁ…」「でも、君が俺の隣にいなくて故郷の福岡県にいたから俺、夕陽見るのがつらくなってたんだよなぁ」「そっか…東京から見たら福岡って西の方だから、まさに日が沈む方角か〜」
そんなやり取りを経ておよそ10時間、チャオプラヤ川をまず渡り、チャオプラヤ川に繋がるような構造で張り巡らされた運河を渡った。
そして、着いたのだ
正式名称がべらぼうに長くて全部言えない街、バンコクに!