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ユーラシア大陸縦横断旅21

上海虹橋空港に隣接した虹橋駅からおよそ4時間半、北京の駅に着いた
そして、会心の友とはここで分かれるはずだ
ところが、彼は「俺たちの先輩で日本大使館に勤務している人がお前に渡したいものがあるそうだ。それを受け取りに行かないか?」と言って俺とより長く一緒にいようとした
結局、日本大使館へ3人で行って紙袋の中に入ったプレゼントのように包装された小さな箱と俺の名前宛てに書かれた便箋らしき封筒を渡された
そして、封筒の中を開けてみると手紙が入っていた
俺が朝鮮半島にルーツがあることを誰かが知っていたのだろう
内容は日本語だが、ハングル表記で書かれていた
要約するとこうだ
「この紙袋の中には、あのガイドをしていた友達から教えてもらった情報を元に、彼女へのプロポーズ用の指輪が入った小さな箱が入っている。北京で開けずに、『愛の街』として知られるパリまで開けるなよ」とのことだ
それを読んで俺は自分のメンツを潰された気がして茫然としていた
彼女は「ハングルって難しい。解読して」と俺にねだってくる
「これはちょっと見せられないよ…」と言うしかなく、彼女もそれ以上は追及しなかった
そして、いよいよ北京を発つ時間になり、友に感謝の言葉を述べて俺たちは寝台列車に乗り込む
次に起きる頃にはもうモンゴルだ

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