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ユーラシア大陸縦横断旅22

午前1時、俺たちはノックの音で起きた
どうやらここは中蒙国境の中国側にある内モンゴル自治区のエレンホト(二連)のようだ
2人とも中国語が話せないので、彼女は英語、俺は片言のロシア語で対応して中国を出国する
そして、俺たちはすぐにモンゴルへ入国するが、列車は線路幅の関係上台車変更の作業中だ
車内に戻って2人とも一眠りするとカーテンの向こう側から朝日が差し込んできた
時計を見ると6:20とのこと
つまり、ここはゴビ砂漠の中にあるサインシャンドということか
実際、駅名標にはキリル文字でサインシャンドと書いてあった
ウランバートルの街は午後2時半ごろに見ることになるのかなぁと思い、二度寝した
チョイルという街の駅に着いて目が覚めた
そこで気付いてしまったのだ
そう、食堂車での朝食の時間は終わってしまったと
そして、彼女もまだ寝ている
暇を持て余していたので、モンゴル語で自分が歌える唯一の歌を歌いながら窓の外を流れるモンゴルの広大な荒野と草原の景色を見る
「ダルハン〜マンナイ〜ツスゲル〜ウルス〜♪」と歌っていると、なぜか隣の客室が静かになった
そして、昼食時に食堂車で隣の客室にいたモンゴル人の客に話しかけられた
お互いに英語で会話していると、実は俺が鼻歌で歌っていたのはモンゴルの国歌だったことを知った
そして、俺はモンゴル国歌を歌える日本人として男女関係なくモンゴル人の乗客から人気者扱いされてしまった
そして、その光景を見ていた彼女が嫉妬したのは言うまでもなく、その後客室で平謝りした
気付いたら列車は起伏の激しいウランバートルの郊外にある高原まで出ていた
その高原地帯に沈む夕陽を2人で見て、関係の修復に成功した
そして、夜になりスフバートルに着き、いよいよロシア入りすることになる

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