寝台列車赤い矢号は8時間走り続け、吹雪のモスクワに着いた
「全然眠れなかった…とりあえず寝たいからモスクワ観光お預けで良い?」彼女が死んだ魚のような目つきで尋ねる
「あんな旧式でガタガタ煩い列車の二等で寝ろって…無理な注文だぜ…俺も眠れなかったから、そのつもりだったよ。憧れの街、モスクワに着いたけど仕方ないさ」体調を考えると観光は諦めざるを得なかった
泊まる予定のホテルに向かう途中、グム百貨店に寄って予約注文した商品を受け取る
宿に着いてチェックインしたら部屋に入るや否や、ベッドに飛び込む
翌朝、ベルリン行きの列車に乗ったがその車内でも爆睡した
国境チェックの度に起こされていたが,ポーランド入りしてすぐ深い眠りにつくと、気付いたらドイツ入りしていた
そして、彼女が一言かかる「寝てたらあっという間だったね」「そうだな。もうベルリン郊外だからなぁ」そう言って笑う
寝ている間にスモレンスクも、ミンスクも、ワルシャワもすっ飛ばしてベルリンに到着した