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ユーラシア大陸縦横断旅37

ハンガリー大使館の角を右に曲がり、フランス大使館のあるパリ広場まで来ると、目の前にはブランデンブルク門が見える
ブランデンブルク門を見て思わず「『Einigkeit und Recht und Freiheit 』、『統一、正義、そして自由』か…ドイツがなぜその3つを大切にしてきたのがよく分かるなぁ」と呟く
すると、彼女が「日本史は分かるんだけど、ヨーロッパ史が苦手だから、ドイツのことは分かんない…誰か教えてくれないかなぁ」と呟く
「簡単なドイツ史なら分かるんだがなぁ…俺は恋人と付き合って日が浅いからまだまだ彼女のこと知りたいんだがなぁ」と言ってわざとらしく返す
すると、彼女も俺も顔が赤くなり、「東一色だな」「そっちもね」と言って笑い合う
しばらくして、スマホが鳴る
電話に出るとかつてロンドンで再会した幼馴染から「君は今、ヨーロッパなんだよね?僕はかつて君がロンドンに来てくれたルートで5日ほどロンドンに滞在してヨーロッパ周遊する予定だけど、もしロンドンで会えそうなら会わないかい?」と誘われた
「ヒースロー到着、そっちは何時?こっちは明後日ユーロスターでセントパンクラス入りするんだ。彼女と2人旅さ。あっ、でも、ホテルは俺が昔泊まったちょっとお高い所」と言うと「現地時間で日付変わる直前、ホテルは僕と同じだね。あっ…これから搭乗だから切るね。」と返ってきた
彼女はよほど嬉しかったのか、スキップしてもと来た道を歩いている
駅に着くと俺たちが乗るケルン行きのICEは定刻の30分遅れだそうだ
だが、ここで奇跡のようなことが起きる
カメラの動作チェックをしているとたまたま俺が過去に乗った思い出の車両が俺たちの立つホームに入線し、その様子がカメラに収まったのだ
「思い出の車両か…」と言うと「貴方のこと、そして昔の話ももっと知りたいから私達のボックス席で沢山話そうね」と上目遣いされた
とりあえず予約した一等車に乗り込む
「そうだな…あっ、窓の外見なよ。俺たちが通った議事堂が見えるよ。」「私達、付き合い出したのと同じでだいぶ遠回りして辿り着いたんだね」そんなやり取りをする2人を乗せ、ICEはハノーファーやデュッセルドルフ、そしてその先のケルンに向けて進む

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