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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ②

「おっはよーサヤカ!」
「あ、おはよう亜理那」
そんな中、亜理那はいつものようにわたしに話しかけてきた。
「ねぇ、うちのクラスに転入生が来るって聞いた?」
「あー聞いた聞いた」
亜理那もこの話をするのか、とわたしは呆れ気味に答える。
「どんな子が来るんだろうね?」
亜理那はニコニコしながら言った。
「…そんなに楽しみ?」
わたしが何気なく聞くと、亜理那はうん!と大きくうなずく。
「だってこんな街に引っ越してくる子なんてそうそういないもん!」
しれっと自虐の入った発言に、わたしはそ、そうだねと返す。
でも確かに、この街に引っ越して来る人は中々いないかもしれない。
寿々谷は周辺地域に比べれば都会だけど、ベッドタウンとか新興都市ってワケでもないから、外からやって来る人はそんなにいない。
故に、転入生がやって来るという事はちょっとした騒ぎなのだ。
「楽しみだな~」
転入生に会えるの、と亜理那は楽しそうに笑う。
と、ここでチャイムが鳴った。
すぐに教室に先生が入って来る。
「はーい、この後朝礼だから廊下に並んでー」
先生がそう言うと、皆はバタバタと教室の外へ向かった。

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