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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ③

教室がある建物の隣の体育館にて。
体育館では今まさに朝礼が始まろうとしていた。
…と、わたしの学年の生徒が座っている場所の前に学年主任の先生が立った。
「はいちゅうもーく」
学年主任の大きな声で、ざわついていた2年生全体が静まり返る。
「えー、実はこの学年に新しい仲間が増えます」
ほら、おいで、と学年主任は体育館の脇から三つ編みお下げの少女を呼んだ。
「転入生の坂辺 里加古(さかべ りかこ)さんだ」
学年主任がそう言うと、少女はさ、坂辺 里加古です、と頭を下げた。
「…何か、思ってたのと違う」
「地味だね」
「美少女じゃない…」
「そういう事言わない」
学年全体が、思ってたのと違う、とざわめく。
それは教室に戻ってからも続いた。
「彼女…坂辺さんて何か地味だよねー」
「パッとしないねー」
「ま、仕方ないんじゃない」
クラスメイト達は口々にそう言う。

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