風化したっていいよ
汚れたっていいよ
無くなったっていいよ
形に残らないと不安になるなら
それは本当に大切じゃない証
忘れたら仕方ないよ
ずっと縛られなくていいよ
言い切れない「いちばんたいせつ」は
本当の「一番大切」じゃない証
思い出って形に残るものじゃないと思うんだ
どうしても具体にすがってしまうけれど
もっと胸の奥にあるものだと思うんだ
記憶から全て消えたとき
はじめて思い出は無かったことになる
私が忘れたことは君の心の中に
君が忘れたことが私の心の中に
それぞれあるのだとしたら
それはまだ思い出として生き続けるだろう?
遡ってしまうアルバムも
不意に見つかってしまった手紙も
手帳に挟まっていた写真も
その頃の私にとっては大切な思い出だった
ただそれだけで それ以上なんてない
互いの人生の一部を共有した ということ
それがどれだけ短い間だったとしても
それよりも濃い時間を今後過ごすとしても
たった一つだけ永遠に残る共通項
これを思い出と呼ばずに何と呼ぼうか