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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ⑥

「へー坂辺さんて更月(さらつき)市出身なんだー」
「亜理那、それどこか分かってる?」
「分かってない」
「おい」
理科の授業が終わった後の休み時間、2年生のフロアの廊下にて。
わたしと亜理那と鷲尾さん、そして坂辺さんは、廊下でのんびりと駄弁っていた。
「それにしても」
会話の途中で鷲尾さんがこう切り出す。
「亜理那のクラスに転入生が来たと聞いて見に行ってみたら…」
まさか不見崎さんと仲良くしてるなんて、と鷲尾さんは続ける。
「何だか珍しいじゃない」
「そ、そう…?」
わたしは苦笑いする。
「たまたまだよ、たまたま」
偶然わたしの目の前の席になったから…とわたしは付け足す。

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