0

ある日。

「頑張れ、受験生!」 
この言葉を少しずつ耳にするようになった。
この言葉を聞くと冬の訪れを感じるのは、
私だけなのだろうか。

高校生の頃の自分は
大学生になったら
少し大人になれると思っていた。
キラキラしたことが多いと思っていた。
でも、そんなに単純ではない。
大学生になった今、
悩みもあるし、泣きたい日だってある。
辛いことも苦しいこともいっぱいある。

そんなことを考えていたある日。
私が乗っている電車に、
大きなリュックを背負った
1人の高校生が乗ってきた。
そして、私の1つ前の席に座ると、
必死になって参考書を見つめている。
でも彼女はとても楽しそうだった。
私が参考書と友達だったあのころ。
辛いこともあったが、
それに勝るぐらい、毎日が輝いていた。
それは、
今という一瞬一瞬を
全力で楽しみたいと思っていたから。
受験勉強を楽しみきろうと思っていたから。

(今を楽しまないともったいないよ…!)
目の前にいる高校生が
過去の自分のように思えた。

自分が今いる環境のなかで
めいいっぱい楽しんでやろう。

ふと空を見上げると、
雲ひとつない青空が
私の頭上には広がっていた。

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。