ドーバー港で入国審査を終え、幼馴染と合流し、駅まで行くバスに乗り込む
彼女が「エスコート、ちゃんとしてや〜」と上目遣いで言ってくる
「任しとけ。と言いたいんだけど、生憎頭の中のロンドンの地図は小6の時のヤツだからアップデートしないとな」と言って笑うと、「記憶力が良い君のことだから、流石にチューブの乗り方は覚えてるんでしょ?こいつは僕の奢りさ」と言って幼馴染が2枚のオイスターカードを手渡す「わざわざありがとう。乗り方は覚えてるよ。でも、路線図は確認のためにもう一度見ないといけないけどな。まぁでも、列車の終点がビクトリアだから乗り換えはEmbankmentかな」と返す
「チューブって?」と彼女が訊く
幼馴染は絶句していたが、俺は苦笑いを浮かべて「ロンドンの地下鉄のことさ。車体を前から見るとかまぼこ型で、イギリスの人はチューブに見えると言ってそう名付けたんだよ」と返す
「Dover Priory Stationか…着いたぜ。I’m back, our mate, the UK. I shall return,London.Please wait for us for a few hours.」「お二人さん、あまり見せつけないでくれよ?」「憧れの街を好きな人と一緒に廻るの、楽しみだなぁ」とそれぞれ三者三様のセリフを残して目の前に入線してきた特急に乗り込み、ニューカッスル、ニューヘブンと並ぶ英国第三の海の玄関口を後にする