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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ⑫

その後、わたし達は寿々谷の色々な所に行った。
とは言え、寿々谷駅の周り位だが。
なぜなら、寿々谷市にはそれと言った名所がないのだ。
あるとしたら…寿々谷公園や寿々谷神社、ショッピングモール位だろうか。
とにかく見所がないから、紹介するにしても自然と寿々谷駅周辺になってしまうのだ。
そんなこんなで、わたし達はショッピングモールに辿り着いたのだった。
「ねぇ坂辺さん、どっか行きたい所ある?」
ショッピングモールの入口にある案内図の前でわたしが尋ねると、坂辺さんはうーんと宙を見上げる。
「…別に、ないかな」
「そっか」
じゃあ…とわたしは続ける。
「3階に休憩スペースがあるから、そっちへ行こっか」
フードコートは混んでるしね、とわたしは付け足す。
「うん」
坂辺さんはそううなずいた。

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