「我が音楽を嫌うようになったのは、父が音楽に殺されたからだ。父はあるバンドに所属し、ドラムを担当していた。だが、その腕は世間に嫌われた。下手だと評されメンバーからは避けられるように扱われていた。そんな中、父はそのバンドを脱退した。それでもまだ、父への誹謗中傷は終わりを忘れ、父の最期まで続いた。それから我は、父の死の原因である、音楽を嫌いに、憎むようになった。そして同じ考えを持った仲間を集い、今に至る」
こんな言葉を聞いても、私の家族は何も動じず、音楽を続けた。
でも、そんなことは簡単に崩れてしまった。
近隣住民から通報され、父は警察署へと連れていかれた。
翌日父は帰ってきたものの、もう音楽を奏でられなくなった。
退屈な日々の始まりだ。