それから暫く。
わたし達2人はショッピングモールの休憩スペースにいた。
「不見崎さんて妹が2人いるんだ」
「うん、一方の性格はアレだけど…」
坂辺さんと他愛ない会話をしながらも、わたしはさっきの事を気にしていた。
”彼ら”に遭遇した時の事だ。
ほんの少し目を離した隙に”彼ら”がいなくなり、”壁”が現れた。
”彼ら”は割と神出鬼没な所があるから、突然姿を消してもおかしくない。
しかし突然壁が現れたのは不可解だ。
一体どういう事だろうか。
「…不見崎さん?」
色々と考え事をしている内にぼーっとしているように見えたのだろう。
坂辺さんは不思議そうにこちらを見ている。
「あ、ごめん」
ちょっと考え事してた、とわたしは笑う。