0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ⑱

「…」
とりあえず探そう、とわたしは再度歩き出す。
だが…
「…見つからない」
壁に沿って歩いてみたが、それらしい物は見当たらなかった。
「おかしい」
”彼ら”が姿を消した時と言い、トイレが見つからない所と言い、さっきから何かがおかしい。
何がわたしの周りで起きているのだろうか。
「て言うか、こんな所に壁なんかあったっけ?」
わたしは思わず壁を見上げる。
物心付く前からこのショッピングモールに通っているが、そもそもこの辺りに壁なんてあっただろうか。
何か妙な事が起きている、わたしはそう思った。
…と、後ろから声が聞こえた。
「不見崎さん!」
振り向くと、白い帽子を被った坂辺さんがいた。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。