「さあ無事に1階までやって来たわけだけど」
1階まで下りてきたところで、あいつが言った。
「それがどうした?」
昇降口に向けて歩きながら問い返す。
「この怪異も人が悪いよねぇ」
「人じゃ無いもんなぁ」
「そういう意味じゃあ無いんだけど……」
「知ってた」
「ははは、こいつぅ」
冗談も一段落ついたところで、真面目に聞き返す。
「で、どこが」
「よりにもよって、自分にとって一番有利な状況でだけ出てくるところかな」
「どういう意味だそれ……」
言ってから一瞬遅れて、その意味に気付いた。
そして、愚かにも、本当に馬鹿なことではあるんだが、つい反射的に、廊下にずらりと配置された窓ガラスの1枚を見てしまった。
日の暮れた屋外と電灯の点いた校舎内の明暗差によって、『鏡のようにこちらの景色を反射しているガラス面』を!
あの・・・思ったのですが貴方は小説家になるために生まれてきた逸材だと感じました。(*^^*)