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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ⑳

「何だよって…何?」
「いや何ってこっちが聞きたいよ」
わたしの言葉に対し、ネロはそう答えた。
「おーい、ネロ〜」
すると明るい声と共に耀平が壁をすり抜けてきた。
「お、やっぱり、お前もいたか」
続けて壁をすり抜けてきた師郎はそう呟く。
「…」
黎も黙って壁の向こうからやって来た。
「え、皆、どうして⁈」
わたしが途方に暮れていると、ネロは呆れたようにこう言った。
「どうしてもこうしても、この壁実は幻みたいなモンなんだよ」
ネロは隣の白い壁に手を触れる。
彼女の手は壁をすり抜けた。
「え嘘」
「嘘じゃないホント」
ネロはそう言ってため息をつく。

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