「…実はおれ達、ショッピングモールに変な壁が現れたモンだから何なのか調べてみたんだよ」
耀平はそう言って説明し始める。
「そしたらこれは幻で、どうやら異能力者の仕業っぽい事が分かったんだ」
まぁすり抜けられるから問題ないんだけど、と耀平は続けた。
「まさか壁の向こうにお前がいるとはね~」
びっくりだぜと耀平は笑う。
「…はぁ」
わたしはワケのわからない出来事に呆然としていた。
…と、ふと気になる事が出てきた。
「ねぇ、どうして異能力者の仕業だって分かったの?」
わたしがそう尋ねると、ネロはこう答えた。
「え、さっき目の前に壁が現れた時にアンタの連れ合いの目が一瞬光ったから…」
「へ?」
思わぬ答えにわたしはついポカンとする。
「それってどういう…」
「どうもこうも、そこのお嬢さんが異能力者だって事だよ」
師郎はそう言い放った。