「さて、我々の、というか君の脱出に当たって、一つ大きな課題がある」
昇降口手前で突然立ち止まり、あいつが言ってきた。
「何」
「君、どうやって校舎を出るつもりだね」
「そりゃ普通に…………なるほど?」
そういやうちの学校の出入り口、どこもかしこもガラス張りじゃねえか。つまり、出ようとするだけで奴に引っかかるってわけだ。
「で、どうするつもり?」
「……勿論、正面突破だ」
2度も命を狙われて、こっちもちょっと腹が立ってきているんだ。それに、攻略法なら既に出来上がっている。
「一応確認なんだが、奴の攻撃のトリガーは、『目を合わせること』で良いんだよな?」
「そうだね。その証拠に、この廊下で君は1回しか襲われていないじゃない」
「オーケー、確認取れた」
欲しい情報は全部手に入った。あとは勝ちに行くだけだ。