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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ㉔

「それは…」
ヌリカベは気まずそうに目を逸らす。
「不見崎さんにあまり遠くへ行って欲しくなくて…」
ヌリカベは消え入りそうな声で言った。
「…束縛、か」
ネロはポツリと呟く。
「そ、束縛って」
ちょっと言い過ぎじゃない?とわたしはネロに言う。
ネロはえーと返す。
「だってそうとしか聞こえないじゃーん」
「だよな」
「うんうん」
耀平も黎もそう言ってうなずく。
わたしはえー…と言いながらヌリカベの方を見る。
彼女はわたしの陰でうつむいている。
「人を縛ろうとしたって離れていくだけなのにね」
ネロはヌリカベに目を向ける。

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  • 初めて書いた長編の旅日記、楽しんで頂けたようで幸いです。
    今思えば、記憶違いや誤字脱字がかなり多くて悲惨な物になりましたが、そちらの企画から頂いた着想のお陰で今までにない良い経験になりました。