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対怪異逃避行:鏡像の怪異 その⑥

「それでどうするのさ」
「まあ大したことはしないんだが……、普通に『ガラス面から目を背け続ける』、それだけ」
「わあ地味」
「けど、確実だろ?」
「それはそう」
とりあえず下駄箱から靴を取り出し、あいつの方に意識を向けながら出口に向かう。
「……さっきから思ってたんだけどさ。あんまりこっち見ないでよ、照れるじゃない」
あいつが至って平坦な声色で言う。
「つっても、意識を向けておくのにちょうど良いものが無くてなぁ」
「地面でも見てればいいのでは?」
「なるほど名案」
その提案に乗って、足下に視線を移してみる。その時一瞬、出口扉のガラス面が目に入った。でも、できるだけ意識しないようにしてたし目は合っていないはずだから多分セーフのはずだ。

……うん、扉に近付いても手は生えてこないから大丈夫だったんだろう。
目を伏せたままガラス扉を押し開け、目を伏せたまま出口をくぐる。ガラスに映った俺の足が目に入ったが、足しか見えていない現状じゃ、向こうも手は出せない。
(なんせ、そういうルールだったもんなァッ!)
声に出して煽り散らすわけにもいかないので頭の中だけで言いながらその足を見ていると、鏡像に変化があった。
膝を深く折り曲げ、腿、腰、腹と見える部位がどんどん増えていく…………野郎、鏡の中で屈んで、強引に目を合わせてくるつもりか!

  • 対怪異逃避行
  • 一度発生すれば結構好き勝手できてしまうのが強み
  • 次回、攻略完了
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