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Trans Far-East Travelogue④

夕食後彼女も交えて今後の予定を話し合う
俺がハマスタで翌日に始球式登板となり、その日は解散になる
翌朝はかなり早く起きて鮮やかな日の出を撮る
そして昼にはデートで中華街を巡り、いよいよスタジアムに入る時間になる
対戦カードは横浜対阪神、俺は始球式が終わるとレフトスタンドに座ることになっている
控え室で着替え、ブルペンで肩を慣らす
そしていよいよ俺の出番だ
あの東北の親友が捕手をしてくれるそうだ
リリーフカーから降りた瞬間、数年前に引退した選手の応援歌が聞こえる
「授かりしその力で描いた景色は横浜で輝くおのれの勇姿」というのが原曲の歌詞だが、応援団は「授かりしその姿で〜♪描いた景色は〜横浜で輝く〜彼女の笑顔〜♪」と歌っているので、彼女が照れているのだ
それを見て「360度の大歓声〜♪期待に応え〜♪さあ、投げ込め〜♪」と口ずさみながら直球をアウトローギリギリに投げ込むと、バットが空を切るのと同時にミットに球が収まる
そして、試合は両軍の投手リレーで進み延長10回表、控え投手が両軍とも残り1人になった
そしてベイスターズの控えがイレギュラーで交代し、最後の1人もプレー中の負傷でマウンドを後にしたが交代投手がいないため試合中止となりかけた際、ファンと彼女から背中を押され、始球式以来数時間ぶりに俺が緊急登板することになった
すると、制球難でストライクゾーンの四隅ギリギリにしかボールが入らないはずが凡退の山を築き上げ、裏にサヨナラ勝ちしてしまった
ヒロインの時にサヨナラ弾を打った選手の隣で「大好きな彼女のために投げたら何故か勝っちゃいました。彼女を惚れさせる自信はありましたが、遂に確信に変わりました。男は黙って投げるだけ、俺は彼女を虜にするだけです。」と自信満々に発言するとスタンドがどよめく
そして、ホテルに戻ると彼女が俺を枕に寝落ちして、俺も爆睡した

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  • プロ野球好きな人なら元ネタ分かると思いますが、スタンドで流れた応援歌は2021年に引退した中井大介選手のベイスターズ時代の応援歌、投球時に口ずさんだ応援歌は巨人に在籍した實松捕手の応援歌、ヒロインでの発言は松坂大輔投手の現役時代のヒロインと横浜DeNAベイスターズで実際に活躍したエスコバー投手のヒロインの言葉がモデルになっています。