0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ㉖

「わたしの事、心配してくれたんでしょ?」
それってあなたが優しいって事だよ、とわたしは笑いかける。
「だからヒドい人じゃないってわたしは思ってる」
それを聞いて、坂辺さんは静かに顔を上げる。
「…本当?」
「もちろん!」
わたしは大きくうなずいた。
「…ありがとう不見崎さん」
「もう下の名前で良いよ」
苗字じゃ堅苦しいし…とわたしは言う。
「じゃ、じゃあ、サヤカ…ちゃん」
「うん、それで良いよ」
恥ずかしそうな顔をする坂辺さんこと里加古ちゃんを見ながらわたしは微笑む。
「なーんか仲良くなってるじゃーん」
この様子を見て、師郎はニヤニヤする。
「下手に異能力を使って人を困らせるのはアレだけど、まぁ良いんじゃない」
ネロはジト目でそう言った。
わたしと里加古ちゃんは互いに顔を見合わせて笑い合った。

〈14.ヌリカベ おわり〉

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • あけましておめでとうございます
  • 次のエピソードに続け!
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。