「…復讐代行を」
あえて一人称は俺にしてみた。
ほんとに気づいているならこれだけで誰への復讐なのか、そして橘なら何をするのか想像がつくかもしれない
「信じてくれたようで嬉しいよ、しかし復讐代行?一体何をする気だ?」
さすがに買いかぶりすぎた。しかし思ったより話は早く進みそうだな…
「ここまでのことどこまで想像がついてる?俺と闇子のことから…あいつの狙いは?わかるか?」
「闇子ちゃんの…狙い?罰告のやり直し?いや、だとしたら俺や小橋を巻き込む理由はない、わからん」
なんだ?まるでとぼけたかのような返信だ。
「わかった、じゃあそこから話そう」
「助かるよ」
即レス…待たれているのか?
疑ってしまうのは悪い癖だ。
「最初に闇子の目的は、ヒエラルキーの崩壊だ。それを踏まえて話を聞いてくれ」
そうして俺の目線でことのあらましを説明した。
「このままじゃ俺は捨て駒にされかねない、そして駒を失えば計画は必ず失敗し、下手をすれば強硬手段に出かねない」
「それは避けたいな」
「だから今のうちに止める」
実際は俺自身が過去にケリをつけたいだけだ。
いじめというものとの自分の繋がりを断ちたい。そういう意味では闇子の計画に乗っているのは悪くなかった。けどそれ以上に橘につく方が分が良い。
「わかった、協力しよう」
橘ならそう言うとわかっていた。
「助かるよ」
これでいい。これで誰も傷つかない。
体に情でも移ったかな…
闇子さえ救いたいと思えてきた。
そう思い右手で体をなぞる。
あの傷が…疼く。
やっぱり俺のとは違う…
こいつはきっと体より、心を壊されたんだ…
そこまで思考が行き着いた途端、体から溢れてくるように頭にひとつの予感がよぎる。
「!?…急がなきゃ…あいつは…死ぬ気だ…」
to be continued…