0

Trans Far-East Travelogue⑬

日が昇り、故郷と暫しの別れを告げる時が来た
巨人ファンだけで構成される高雄岡山組一の兄貴分が手を肩に添えて直々に声をかけてくれる
「いよいよ出発だな。日本シリーズの忌々しい記憶が残ってるかもしれないのに、福岡や大阪に行かせてしまって、欧州から帰って来て早々長旅させてしまってすまない。代わりに、日本国内では温泉で体を休められるように調整してあるよ」とのことだ
「兄さん、俺は光輝くアジアの明日を照らす東京都庁がある新宿区の出身だぜ?地方出身の彼女を送り届けずに故郷に引っ込んだままなんてのは、新宿生まれのプライドが許さねえよ」と笑いながら返すと彼女が「貴方って新宿出身なの?牛込って聞いてたんだけど」とツッコむので、俺が「兄さん、今回の移動手段であの車買ったってことは、鹿児島到着の帳尻さえ合わせられたら、出発の時間変えても良いし、行程端折っても良いんだろ?悪りいけど、出発は歴博行ってからで良いか?」と確認を取ると「お前も大変だな。俺達は2台買ったから、最悪一台は北陸回り、もう一台は東海回りで西を目指しても良い。彼女には事情話して出発遅れると伝えるから、3時間で行って戻って来いよ。後ろにEF65積む余裕作っとくから」と言ってくれたので「EF65ってw青いはやぶさだからって、俺のチャリのことブルトレの電気機関車呼ばわりすんなよwサビ止めも積まねえと…ハンドルサビてっから」と言って笑い返し、そのまま彼女の手を引いて三栄町に向けて歩き出す
タイムリミットは残り3時間、すぐに行けるだろう

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。