「いや、うちのきーちゃんが行こうって…」
寧依は金髪のコドモに目を向ける。
きーちゃんことキヲンはえへへと笑う。
「何よそれ」
すみれは呆れたように言う。
「ていうか、どうしてここが分かったの?」
すみれが尋ねると、ピスケスはうふふと笑った。
「魔力の痕跡を追いかけてきたのよ」
魔力の塊である人工精霊は動くだけでその場に魔力が残るから、とピスケスは続ける。
「そう言えば…」
すみれは微妙な顔をした。
「…とりあえず」
ナハツェーラーを返せ、と赤髪のコドモこと露夏は、懐から包丁を出してすみれに突きつけた。
「うっ」
すみれは思わず後ずさる。
「ソイツは”学会“の監視対象なの」
何かあれば問題になるわ、と青髪のコドモは部屋に入りながら言う。