3位決定戦は兄貴が先発し、俺は初めての女房役だ
初回は抑えたが、7回表に逆転を許してしまった
2点ビハインドの一死満塁で相手は強打の四番左打者というピンチの場面で俺の彼女が登板する
タイムを取ってマウンドに上がり、「配球、どうする?」と訊くと「3球目にフォークで振らせるからそれまでは構えたい所に構えて。」と返ってくる
「最初はど真ん中大きく構えるから信じて投げて」とだけ返し、プレーを再開させる
初球はど真ん中からインローに入るスライダーで見逃しストライク、2球目はアウトハイのストレート
そして、3球目のフォークで打たれたが、ライナーを取りサードに送って併殺に仕留める
裏には俺と彼女が二者連続アベック弾を打って振り出しに戻すも、その後両者無得点のまま、9回裏に繋がる
2死走者無し、打席には俺が入る
2-3からひたすら粘る中、彼女がベンチで「塁に出てくれたら、私が決めるから来た球打って」と叫んでくれたおかげで念願のヒットが、二塁打が出た
今度は俺が2塁上から「リラックスしろよー」と声をかけると、彼女がバックスクリーンに打球を入れてくれたおかげで8-6でサヨナラ勝ち
次の準決勝では俺も彼女も控えで、兄貴達が出て決勝に俺が登板することになる
兄貴が完封勝ちしてくれたので、決勝進出が確定だ
次の試合は約1時間後だ