ひとまずは青路の言う排除をやり通すか
そうすれば自ずと橘は動くだろう。
あいつの重い腰が動くのを待つのはもうやめだ。
ここからは俺の番だ!
決意は固かった。
LINEの通知はさらにその決意を固くさせた。
「まさか、そこまで本気になってくれるなんて、一体何が?」
そういえば今まで誰かに話したことがなかった。
だからこそ孤独だったし、群がってばかりの陰キャが嫌に見えたのかもしれない。
いっそ話してみるのもありかもしれない。
排除なんて言葉を覚えた青路なら理解してくれるだろう。
【俺の大改革】を
全ては橘と行動を共にするようになった小学生の時から始まる。彼は当時からカリスマ性を持っていた。しかしそれを決して攻撃には使わなかった。
俺からすれば煩わしいほどに。
「なぁ、なんで蓮ってあんなウザい奴らとも仲良くできんの?」
「健太郎、ウザいとか言わない」
そう言って蓮は笑う。そのつもりはないだろうけど、嘲笑うようにしか聞こえない。
「別に俺にとっては、平和が楽ってだけだよ」
いつも言ってた。でも必ずその後に
「喧嘩を売られたなら致し方ないけどね」
別人のような蓮の顔もまたセットだ。
“一体どっちがホントの橘蓮なんだ…”
その恐怖からいつしか蓮とは素直には付き合えなくなっていた。それでも高校も同じ所を受験した。
それが最も都合がいいからだ。
そして高校に上がり少し変化が訪れる。それが桐谷青路の登場だ。今まで会ったことのない雰囲気を持った奴だった。そこからはただ楽しかった。
恐怖を中和し、喜びを増幅させた。
しかし、それは目の前で崩れた。
蓮は俺を裏切った。
陰キャごときに味方しだしたんだ。
あの女にも…
「俺の邪魔をするな、陽キャでも陰キャでもない二軍崩れが」
そう言っていた。
あいつは…支配する気だ…このクラスを…
このヒエラルキーを…
そんなことはさせてたまるか…
今の平和は決して失わせない…
やつを…この革命で…
堕とすんだ…!
to be continued…