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春と愁い

早いものだった。

2ヶ月遅れの入学に、次々と無くなった行事。

マスクだらけの教室で、1人だけぽつりと過ごしてたっけ。

だけど、いつの間にか人に囲まれていた。

「友達」と呼べる子が何人も出来て、幸せだったなぁ。

でも、そんな日常もあとひと月ちょっとで桜の花びらみたいに散ってゆく。

大嫌いで大好きなみんなと過ごせる日々が終わりに近づいてゆく。

涙を流したあの日々を、詰りあったあの日々を、いつか大切に思える日が来るのだろうか。

いや、違うな。

もうとっくのとうに愛していた。

そんなことに今気付くなんて、今そんなことを思うなんて、早すぎるよと笑われるかな。

でも、君が笑うなら。君と笑って過ごせるのなら。

それでもいっか、と思えるのです。

そう思わせてくれたのは、他の誰でもない君なのです。

桜が舞う校庭で「またね」を言う日が来るまで、君と過ごす日を目に焼き付けて。

君と過ごせるのなら、なんでもいいや。

だから、

  • 春愁
  • 「だから、」の続きは?
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