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Trans Far-East Travelogue㉘

朝食を済ませ、台湾のお茶を淹れて嫁と次に行く場所を話し合っていると俺宛に手紙が4通届いた
「住所的に、アイツらか?」そう呟くと嫁が「アイツらって知り合いでもいるの?」と訊いてきたので「国際郵便は元カノの地元からだけど、何故か国内便は新潟からなんだ」と返し、手紙を読んでみると、1通は松山の副長と付き合ってる元カノが新潟滞在時に書いたもの、他はロシアにいる元カノ達がそれぞれの地元から書いた手紙だった
「裏に和訳がある」と言って裏返して渡すと嫁が手紙を読み上げるが、途中から表情が変わる
「『私は貴方に振られた理由が分からず、また貴方の元カノ達と一緒になって貴方に会いに行っても何故避けられていたのか分かりませんでした。でも、今の彼氏を通じて教えてもらった話を聞いて納得しました。貴方とお付き合いしていた当時、私は日本語を学び始めてすぐの頃で貴方が苦しんでいることも貴方が意図的に早口の日本語で喋っていた理由も分からなかったです。試合後、彼が男友達と話した後で『アイツの元カノ達は誰1人として日本の事を知らなかったが故に、アイツは自らが抱えた悩みを話して、解決策になることを提示して要求したら皆傷付くことを知って気を遣ってあまり多くのことを語ろうとしないでいたのに、誰1人としてその配慮に気付かないで酷いことを言い続けたが故にアイツが耐えられなくて振った。それにしてもよく耐えたよなぁ…俺達なら無理だ』と言って男同士での話の内容を訳してくれて初めて知りました。それから、貴方のことを理解して受け入れてくれる優しい人と結婚したことも知りました。奥様は田舎の左遷先で僻地出身の割には頭が良い美人さんだそうですね。彼は辛いことがあると1人で抱え込むので、どうか優しくしてあげてください。お二人とも末永くお幸せに』だって。何故最後に私の故郷がボロクソに言われてるの」と言って嫁がフグのように頬を膨らませているので、「まぁ、東京人のイメージではモノレールが走るの遊園地や動物園かベッドタウンだけだからな。それで北九州も自動的に田舎認定なんだろう。まぁ、言葉は悪いが俺に言わせればまだ見ぬ土地、九州は想像もつかない僻地だから、強ち間違っちゃいない」と言うと「あんなに栄えてる福岡が田舎?そりゃないでしょ。まあ、流石に東京23区には敵わないけど」と言って嫁も笑い出す
知らぬ間に太陽は南から西へ傾き始めていた

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