「見えてないんじゃない? 見ない方が楽だ 見てしまったら 世界がわずかにずれる」 私の3Dメガネは、落ちてしまった。 美しい世界をつくるために、ずらされた世界。 世界と世界の間に、確かに存在する人々。 それに気づいた私には、選択肢が残されていた。 またメガネをかけるか、ずれた世界を見続けるか。 私は… 私は、メガネを捨てる。