扉の前に立っていた
あぁ、この感覚はとても久しぶりだ。
“春”というものが
不安に包まれて足元に転がっている年
そう、お前がまたやってきた
変わってゆく 流されてゆく
流れ逆らい漂い辿り着いたこの島は
あの日想像も出来なかった場所
後悔?そんなものはないさ
そう笑い飛ばせるほど強くはないけど
宝箱は鍵がかからないくらいには溢れてる
旅立ちだ お別れだ
日常が思い出に変わっていく
愛おしくて寂しくてさびしくて
天邪鬼すら苦笑い
名残惜しくて手元の鍵をくるくると
不透明な約束だけが積み重なって
それでも大切な人たちと結んだことば
抱きしめて さあ行くか。