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復讐代行 最終回 後編

「うん、そうだね」
俺は…というより身体の主は素直に頷いた。
「え?」
「お…おい…」
「確かにこの身体はあなたが使ってた、ほんとにその全部が罰?私は楽しかったよ?」
「なんで…?なんでそんなこと言うの?」
「だって生きてるんだよ?何度も諦めようとしたこの身体をあなたが生かしてくれた、わがままだけど生きる希望だった。あなたがいるから今の私がいる」
「希望か…」
闇子は涙が溢れた。
「今、この主はあの時の私と同じ過ちを犯そうとしている、だから闇子ちゃん…今度はあなたが変え…」
次第に光の声は小さくなる。
「待って!」
「あとは俺が聞く」
「もういいよ、命を賭けた復讐じゃ意味がないってわかったから…」
少し肩を落とし、ため息気味に言った。
「…ならいいけど…」
「あと、身体もきちんと返す」
そう言って闇子は両腕を広げた。
“そうすればまた話せるよね?”
「え?あ、あぁ」
あっさり返すと言われ、青路は少しリアクションに困りながらも闇子の胸にそっと身体を委ねた。
「ねぇ、最後にひとつ教えてよ…生きる希望って何?」
「希望ってきっと誰かを信じられるってことだ、時にそれは裏切りっていう災いになることもある。でもそれでいい、希望と災いはいつも波みたいに繰り返す。それにどう乗るか、そんな赤ん坊みたいな他力本願を生きる希望って呼ぶんじゃねーの?」
「そうだね…それってもう1人の自分なのかな」
「さぁな…でもそういうのもありなんじゃね?」

fin

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