「いや、どうしてここにいるのかなって」
わたしは彼女に近付く。
「何でって…そりゃあ家へ帰る所だよ」
ネロは嫌そうに言った。
「学校から?」
わたしがそう聞くと、ネロはまぁねと答えた。
「…学校、通ってたんだ」
「ああそうだよ何か文句⁈」
わたしの呟きに対し、ネロはぶっきらぼうに返した。
「いや、前にネロ学校通ってないって言ってたから…」
わたしは苦笑いしながら言う。
「…別に、最近先生から来いって催促がヒドくて」
だから渋々行ったの、とネロは頬を膨らませる。
「普段はこんな風に制服着て学校には行かねぇよ」
んじゃ、とネロは言ってその場を後にした。
「…」
わたしは1人彼女の後ろ姿を見送った。