0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 15.オーベロン ⑤

「アンタは知らなくて良いし、ボクも語るつもりはない」
ネロはそう言ってわたしを睨みつける。
「…」
わたしは思わず閉口する。
「確かに」
コイツが知ってどうするって話だしな、と耀平は頭の後ろに手を当てる。
「え、皆は知ってるの?」
わたしがつい聞くと、あとの3人はまぁな、とかおう、と答える。
「何せネロとは2年の付き合いだしな」
知ってるも何も、と耀平は得意気に言う。
「まぁ何だかんだで知ってるよな」
師郎はそう言って黎に目を向ける。
黎は静かにうなずいた。
「…そうなの」
聞いていて、わたしだけ仲間外れのような気がして寂しかった。
でもそれも無理はない。
だって彼らとわたしはまだ出会って数か月しか経っていないのだ。
知らない事があっても仕方ない。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。