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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 15.オーベロン ⑩

ネロを追いかけ始めて暫く。
わたし達はいつの間にかショッピングモールの裏手に来ていた。
「何でこんな所に…」
わたしが思わず呟くと、まぁよくある事さ、と師郎は返す。
「ホントどこ行ったんだよアイツ…」
コマイヌはぶつぶつそんな事を呟きながら歩いている。
…と、建物の角にさしかかった所で、コマイヌが足を止めた。
「?」
どうしたの?とわたしが言おうとした時、ある光景が目に入ってきた。
「…ネロ?」
わたし達から十数メートル離れた所で、ネロとどこかで見た背の高い少女が対峙している。
「何でいつもアンタはボクの邪魔ばかりするんだよ」
ネロは怒りを含んだ声で少女に言う。
「別に、悪意があってやったワケじゃないのよ?」
少女は腕を組みながら答える。
「ただあなたが少し目障りだったから…」
「…何だよ、ソレ」
ネロは静かに呟き、顔を上げる。

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