「そうやってアンタはいつもいつも…」
ネロはそう言いながら具象体の黒鎌を出す。
「ボクの尊厳を侮辱しやがって…‼」
ネクロマンサーは黒鎌を構える。
「アンタこそ、目障りなんだよ‼」
そう叫んで、ネクロマンサーは少女に向かって駆け出した。
「マズいっ!」
いつの間にか異能力を使うのをやめた耀平が走り出す。
しかしネロはそんな事もお構いなしに少女に具象体を振りかざした。
だが少女には当たらない。
「⁈」
ネクロマンサーは具象体をブンブン振り回すが、どうやっても少女には当たらなかった。
「クソっ‼」
ネクロマンサーは少女の脳天に向かって鎌を振り下ろそうとするが、刃が少女に当たる寸前で動きが止まる。
「…無駄よ」
少女はポツリと呟く。
目をつむっていた彼女がその目を開くと、淡い水色に輝く瞳が姿を現した。