「ま、待て‼」
待てよ‼とネクロマンサーは呼び止めようとしたが、少女はスタスタと歩き去ってしまった。
「…」
その場に沈黙が流れる。
「なぁ、ネクロ」
耀平が声をかけると、ネクロマンサーは静かに振り向いた。
「…」
その目はもう光っておらず、涙だけが溜まっていた。
「耀平」
ネロはそう言ってふらふらと耀平に近付く。
「…どうして」
どうして、とネロは耀平に抱きついた。
「何で、何で…」
ネロは耀平に抱きつきながら暫くそう呟いていたが、やがて大声で泣き出した。
わたし達3人は思わず駆け寄る。
耀平は黙って泣きつくネロを見つめていた。
「…」
見かねた黎がネロの背中をさする。
しかしネロは声を上げて泣き続けた。
静かな建物裏に、少女の泣き声だけがこだました。